顎関節症
顎関節症とは？
顎関節症とは、口を開こうとすると顎関節や顎を動かす筋肉が痛む、口を大きく開けられない、口の開け閉めで顎がカクカク音がするなど、顎周りに不調を感じる症状のことです。二人に一人は経験すると言われているほど多くの方が経験しています。自然に治ることもありますので、痛みや口の開けにくさが一時的であったり、音だけで他に症状がなければ、施術が必要ない場合もあります。しかし、放置してしまうと口が開かなくなったり、顎の筋肉の緊張が首や肩に影響を与え、全身的な症状が出てしまう可能性もあります。
顎関節症は、女性に発症しやすいと言われており、年齢的には10代後半から増加し、20代から30代が最も多く発症します。
顎関節症の根本原因は？
顎関節症の原因には様々なものがあります。
まず、先天的なものとして噛み合わせの悪さがあります。しゃくれや出っ歯など、遺伝的に引き継いだ骨格と歯の大きさも関係しています。バランスが悪いと顎が歪み、顎関節症を引き起こすことがあります。
骨格の問題は自分で改善することが難しいため、噛み合わせの改善や矯正施術を検討する必要があります。
ほかには生活習慣が原因となる場合もあります。
頬づえをつくと、頬に横から力がかかり、長時間続けると顎に負担がかかり、顎関節症の原因になります。
座っている時の姿勢が悪いと、本来とは違う方向に顎の重みがかかり、顎関節症の原因となることがあります。
無意識のうちに上下の歯をくっつけることがクセになっている人も、顎の筋肉に負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあります。
また、強いストレスが原因で食いしばりや寝ている時の歯ぎしりが起こると、口周りの筋肉が緊張しやすくなり、これが顎関節症を引き起こすことがあります。
スポーツや事故など、強い衝撃で顎に瞬間的に強い力がかかった場合も、顎関節症を引き起こすことがあります。
こんなお悩みはありませんか？
口を大きく開けることが痛くてできない。
寝ている時に歯ぎしりや歯の食いしばりが強い。
顎が動かしづらくなり痛みがでる。
顎を動かすとコリッという雑音を感じることがある。
口を開けた時に顎が外れるそうな感じがする。
顎を上下左右に動かすことに不安感、不安定感を感じる。
こめかみの辺りが痛く感じたり、側頭部に頭痛を感じることがある。
食べ物を食べる時に顎に違和感を感じたり顎が疲れやすくなることがある。
顎関節症に対する当院の考え
顎関節症に対して当院で最初に考えることは、日常生活で困っていることや症状の確認です。顎関節症になる原因をまず確認します。原因としては、先天的な生まれつきの関節の不具合や、顎に対する様々なストレスが関係していることがあります。まずはこれらの原因を確認した後、顎の骨の位置や顎に関係する筋肉の硬さをチェックし、顎の動作や口がどのくらい開くかなどを確認していきます。
当院での施術では、側頭部や頬部、下顎の辺りを中心に筋肉をほぐしていきます。痛みがあるからといって顎周りをまったく動かさないと症状が悪化してしまうため、適度な運動を行っていただき、硬い食べ物や口を大きく開ける動作は避けるようにご指導いたします。
顎関節症はなぜ起こるのか？
顎関節症の原因には様々な要因が考えられます。
その中でも多いのが、日常生活の中で顎への小さな負担が積み重なり、顎関節症になることです。
顎への負担をかける日常生活の要因としては、歯ぎしり、食いしばり、うつ伏せで眠る、長時間の頬杖などがあります。要するに、顎に余計な力（ストレス）が加わることで、少しずつ関節が弱り、顎関節の固定力が下がったり、はまりが悪くなったりすることがあります。
そのほかに近年増加している原因は、以下のようなものがあります。
●下顎を動かしてマスクのズレを治す行為
スマホの見過ぎで姿勢が前屈みになり、顎が前に出てしまい顎に負担がかかる
ストレスによって顎周りの筋肉が緊張し続け、負担をかけている
また、格闘技やラグビーなどのコンタクトスポーツによる強い衝撃（外傷）によって顎関節がずれ、症状が発生することがあります。さらに、生まれつき先天的に顎のはまりが悪い方もいらっしゃいます。
顎関節症を放っておくとどうなるのか？
顎関節症を放っておくと、顎関節のズレが徐々に進行し、口が開けづらくなることがあります。その結果、物を噛む際に顎がすぐに疲れてしまったり、食べるものによってはうまく噛めなくなり、食事を楽しめなくなる可能性があります。
さらに、顎関節がずれて噛み合わせのバランスが崩れると、こめかみや首、肩、腰などにも緊張状態が連鎖することがあります。初めは緊張状態が続くことで違和感が生じ、徐々に痛みへとつながり、最終的には日常生活に支障をきたす全身症状へと発展する可能性もあります。
また、顎関節は耳とも関係があるため、耳鳴りやめまいなどの症状につながることもあります。
顎関節症に効果的な当院の施術メニューは？
当院では、顎関節症に対していくつかおすすめの施術メニューがありますが、まず最初に試していただきたいのが「ドライヘッド矯正」です。顎だけでなく、首・頬・頭などの筋肉をほぐし、頭にある関節（顎関節など）の歪みを整える施術です。顎関節症の一般的な原因である筋肉の硬さを和らげるだけでなく、関節の歪みを整えることも目的としており、軽く外れたようになってしまっている顎関節の調整も行います。
もうひとつのおすすめメニューとして「鍼施術」もあります。特に筋肉をほぐすことを目的とする場合は、ドライヘッド矯正よりも効果が期待できる施術です。
その施術を受けるとどう楽になるの?
頭蓋骨矯正を受けることで、顎周りの筋肉がほぐれ、関節の動きがスムーズになるため、口の開閉時にカクカクと音が鳴る現象や、大きく口を開けにくいといった症状の軽減が期待できます。
また、鍼施術では筋肉にアプローチすることで、硬くなった顎周りの筋肉をほぐすだけでなく、ストレートネックなど姿勢の悪化によって伸ばされて固くなってしまった筋肉を柔らかくすることができます。これにより、筋肉の張り感が和らぎ、顎の動きがスムーズになるかもしれません。
他にも「猫背改善施術」では、首周りの筋肉をストレッチで伸ばすことで、筋肉を柔らかくすることができます。
顎関節症を軽減するために必要な施術頻度は？
顎関節症にはさまざまな種類があり、一概にどのくらいで症状が軽減するかは言えません。しかし、咀嚼する筋肉の障害が原因の場合は、固まっている筋肉を動かしやすくし、柔らかくしてあげることが必要です。
施術後すぐの状態では症状が軽減されても、日常生活の中で食事や会話をするうちに症状が戻ってしまうことも少なくありません。
人間の身体の細胞が生まれ変わるには、約3カ月ほどの時間がかかります。筋肉を柔らかくするためにも、それくらいの期間が必要とされるため、最初の3カ月は2〜3日以内、間が空きすぎても1週間以内での施術頻度を推奨させていただきます。
症状が落ち着いてきた後は、週1回や2週間に1回の頻度に調整していただいても症状の軽減が期待できます。
